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■私が思い描くこれからのまちづくり(T210) 更新日:2004/02/15
 このサイトを作っている間に、「まち」に対して「こうしていったらどうだろう。」というイメージが具体的なものとしてできつつあったので、これまで得てきた情報、知識を整理しつつ、自分の思い描く「まち」についてまとめ、あるアイデア募集に投稿してみました。もちろん、現段階での知識の中での提案なのでもっともっと学んでいく必要があると思いますが、せっかくなのでここにも掲載してみます。
 今後も新たな知識、アイデアがまとまったら、その都度更新していきたいと思います。このほかいいアイデアがあったら掲示板にでも書き込んでいただけると幸いです。

地域とともに人の心を育めるまち
 戦後日本は高度成長期からバブル期まで本当に駆け足で成長し続け、同時に自然環境をはじめ多くのものを失ってきました。物質的な豊かさが享受されてきたものの、心のゆとり、精神的な豊かさが追いついてきておらず、様々な問題が指摘されるようになってきました。このレポートでは、私達が失ってきたものの例として「コミュニティ」と「自然環境」を挙げ、これらをまちに取り戻すことで「まちの個性」と「そこに住む人達の心」を育んでいけるようなまちを提案したいと思います。

1.私達が失ってきたもの
(1) コミュニティの喪失
 今の私達の住むまちには、便利さを追及するあまり、人とのコミュニケーションをも省き、効率最優先でつくられた様々なものが溢れています。電子メール、自動改札、ATMなどの普及で人と接する機会が減っていきました。また家族や親戚間を見ても、全国への進学・転勤、核家族化などによって、昔に比べてその交流が減少してきているような気がします。
 一方で私達の思考は団体よりもむしろ個を重視する傾向に移行し、個人の自立心の向上によってプライバシーが一層尊重されるようになり、その結果昔ながらの地縁的なつながりが失われていきました。今では近隣のコミュニティ(いわゆる自治会、町内会など)と距離を置いて暮らす人も多くなってきています。
 人、物、情報の交流が、地域内から地域間、都市間、全国、さらに世界へと発展していき、インターネットやコンビニエンスストアなどの普及により情報・物流が高度化したことで、身近な地域や人との交流は必要ないと感じるようになってきているのかもしれません。
 こうした人との交流の減少は、様々な社会問題を引き起こす要因と考えられています。現在多発している凶悪犯罪、暴行・虐待、育児放棄など自己中心的な事件の多くは人間関係の稀薄さと閉鎖的な人間性が関係していると言われています。こうした例は極端かもしれませんが、特に私が問題視したいのは子供の成長への影響についてです。子供はその成長過程で多くの人と交流しながら様々なことを学んでいきますが、閉鎖的な人間関係はその交流の幅を狭くします。当然そうした環境で育てばより閉鎖的な人間に成長してしまいます。昔ながらのコミュニティでの人との交流は、そういった人の心を育てる力を持っていました。
 
(2) 自然と触れ合う場の喪失
 子供の成長という意味では、自然と触れ合う場が減ってきてしまったことも気になるところです。一昔前には近所の田んぼや里山で様々な生き物と触れ合い、一年を通しての四季を感じることが容易にできたような気がします。今の子供達にはそういった場所も時間も限られてきてしまっています。
 自然の中での遊びでは、与えられたものでは学べない多くのことを学ぶことができます。特に何かを用意しなくても、子供は自然の中にあるもので自分なりの遊びを作り上げていき、こうした積み上げによって基礎的な体力や想像力、発想力を養っていきます。また自然の中の多くの生き物と触れ合うことで、生命に対して憂い、悲しみ、愛しむ心が養われていきます。今の子供達にはそうした自然と触れ合える空間が必要なのだと思います。 
2.まちづくりへの提案
 そこで、こうした「まちがこれまで失ったものを取り戻す」といった視点で、次のような取組みを提案してみます。
(1) 数世帯が共同で管理する広場(庭)をつくる。
例えばコーポ型アパートであれば1棟につき1つの広場を設ける。1戸建ての住宅団地であれば数戸につき1つの広場というように数世帯が共同で使える広場を設けてそこをみんなで管理してもらう。管理の仕方はみんなで話合って決定する。
使い方は基本的に自由。農園として使用してもいいし、果実のなる樹木を植えてもいい。収穫があればみんなで行い分配する。余剰がでればコミュニティマーケットみたいなものを作ってみてもいい。そこを自分達の庭として管理・運営していってもらう。
管理する場所は特に決められた広場に限定しなくてもいい。地域の公園のほかにも例えば道路敷きの緑地や河川敷、図書館や市役所など公共施設にある緑地など広場的な空間はまだあると思う。今税金を使って管理している所を地域に開放すればもっと人と地域が密に接することができるようになる。

(2) まちの一角にはさらに大きな緑地広場(公園)をつくる。
この広場は地域の人達が自由に使える場所で、自分達の庭で収穫された野菜や果実などの産直販売やフリーマーケット、お祭りなどに活用する。決まった場所で定期的にイベントを行えば、「あそこに行けば何かやってる。」という感覚が地域に根付き、地域内、地域間の交流機会の増加が期待できる。
ここの緑地にも地域の人達で木々を植えて、各地域で分担して管理する。定期的に枝打ちや柴刈りを行い、ここで得た木材は燃料として活用する。定期的な管理とそこから得られる木材資源によって循環システムが形成できる。
木々は何十年もかけて森になる。自ら手をかけ、その木々とともに成長する地域の姿をみることでその地域への愛着が深まると思う。「今日は半日有給休暇とって山に柴刈り」なんてことがあってもいいと思う。
こうした樹木や草花は、他地域の緑地まで道路も含めて途切れることなく連続させる。こうすることで緑の回廊ができあがり、常に身近に自然を感じることができるようになる。これがまちのシンボルとなり、同時に虫や鳥が自由に移動できる生息空間が形成され、まちの中により豊かな自然環境が育まれることになる。
(3) もちろん環境面への配慮は怠らない。
基本的にまちの中には自動車を入れない。移動は徒歩や自転車。郊外に駐車場と駐輪場をセットにして整備する。自転車以外の移動手段はまちの中を循環するバスや路面電車。自分達の手掛けた場所が至る所にあると、そこを観察しながら移動でき、毎日の通勤・通学も楽しみになる。その時はゆっくりと徒歩の方がいい。そういう意味ではこうした散歩道は多くほしい。
エネルギーに関しては、まず個人の住宅には太陽光発電システムをつける。郊外の丘の上には自治体が整備した風力発電の風車。遠景からのまちのシンボルになる。そして地域で管理している広場からでてくる木材資源を活用したバイオマス。この3点で地域に必要なエネルギーの大半がカバーできると思う。

3.おわりに
 これまで挙げた取組みの中には、既に全国で取り組まれ始めているものもあれば、ありきたりの取組みもあるかと思います。他事例を取り入れようとするとどうしても同じような町並みになりがちですが、私は今回挙げた2つの視点があれば決して画一的なものにはならないと思います。日本は南北に長く亜熱帯から亜寒帯まで様々な気候条件を持ち、多種多様な風土を形成しています。そうした気候・風土の条件の中で培われた各地の自然は、その地域特有の財産であり、決して同じものではありません。そんな自然をまちの中に取り入れ、それを自分達の手で育み成長を見守るのです。その地域にとってもその地域に住む人達にとってもかけがえのないものになり、それが地域の個性になり地域への親しみや愛着に繋がっていくのだと思います。
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