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■アワニー原則(T501) 更新日:2003/11/29
 アワニー原則は、1991年の秋、カリフォルニア州ヨセミテ公園のホテル"アワニー"で地方自治体の幹部達に発表されたものです。アワニー原則は以下の6人の建築家達によって起草されました。
・ピーター・カルソープ(Peter Calthorpe)
・マイケル・コルベット(Michael Corbett)
・アンドレス・ドゥアーニ(Andres Duany)
・エリザベス・プラター・ザイバーク(Elizabeth Plater-Zyberk)
・ステファノス・ポリゾイデス(Stefanos Polyzoides)
・エリザベス・モール(Elizabeth Moule)

 具体的な内容(要約)は次のとおりとなっています。このアワニー原則にこれからのまちづくり、地域づくりの考え方が凝縮されていると思います。

1. 序言(Preamble)
 現在の都市および郊外の開発パターンは、人々の生活の質に対して重大な障害をもたらしている。
 従来の開発パターンは,以下のような現象をもたらしている。
  ・自動車への過度の依存によってもたらされる交通混雑と大気汚染
  ・誰もが利用できるような貴重なオープンスペースの喪失
  ・延びきった道路網に対する多額の補修費の投入  
  ・経済資源の不平等な配分
  ・コミュニティに対する一体感の喪失
 過去および現在の最良の事例に依拠することによって、そのコミュニティのなかで生活し、働く人々のニーズに、より的確に対応するようなコミュニティを作り出すことが可能である。そのようなコミュニティをつくりだすためには、計画書策定の段階で以下のような原則を遵守することが必要である。

2. コミュニティの原則(Community Principles)
すべてのコミュニティは、住宅,商店,勤務先,学校,公園,公共施設など、住民の生活に不可欠な様々な施設・活動拠点をあわせ持つような、多機能で、統一感のあるものとして設計されなければならない。
できるだけ多くの施設が、相互に気軽に歩いて行ける範囲内に位置するように設計されなければならない。
できるだけ多くの施設や活動拠点が、公共交通機関の駅・停留所に簡単に歩いて行ける距離内に整備されるべきである。
さまざまな経済レベルの人々や、様々な年齢の人々が、同じ一つのコミュニティ内に住むことができるように、コミュニティ内では様々なタイプの住宅が供給されるべきである。
コミュニティ内に住んでいる人々が喜んで働けるような仕事の場が、コミュニティ内で産み出されるべきである。
新たにつくりだされるコミュニティの場所や性格は、そのコミュニティを包含する、より大きな交通ネットワークと調和のとれたものでなければならない。
コミュニティは、商業活動、市民サービス、文化活動、レクリエーション活動などが集中的になされる中心地を保持しなければならない。
コミュニティは、広場、緑地帯、公園など用途の特定化された"誰もが利用できる"かなりの面積のオープンスペースを保持しなければならない。場所とデザインを凝らすことによって、オープンスペースの利用は促進される。
パブリックなスペースは、日夜いつでも人々が興味を持って行きたがるような場所となるように設計されるべきである。
それぞれのコミュニティや、いくつかのコミュニティがまとまったより大きな地域は、農業のグリーンベルト、野生生物の生息境界などによって明確な境界を保持しなければならない。またこの境界は、開発行為の対象とならないようにしなければならない。
通り、歩行者用通路、自転車用道路などのコミュニティ内の様々な道路は、全体として相互に緊密なネットワークを保持し、かつ興味をそそられるようなルートを提供するような道路システムを形成するものでなければならない。
それらの道は、建物、木々、街灯など周囲の環境に工夫を凝らし、また自動車利用を減退させるような小さく細かいものであることによって、徒歩や自転車の利用が促進されるようなものでなければならない。
コミュニティの建設前から敷地内に存在していた、天然の地形、排水、植生などは、コミュニティ内の公園やグリーンベルトのなかをはじめとして、可能なかぎり元の自然のままの形でコミュニティ内に保存されるべきである。
すべてのコミュニティは、資源を節約し、廃棄物が最小になるように設計されるべきである。
自然の排水の利用、干ばつに強い地勢の造形、水のリサイクルの実施などをとおして、すべてのコミュニティは水の効果的な利用を追求しなければならない。
エネルギー節約型のコミュニティをつくりだすために、通りの方向性、建物の配置、日陰の活用などに十分な工夫を凝らすべきである。

3. コミュニティを包含するリージョン(地域)の原則(Regional Principles) 
地域の土地利用計画は、従来は自動車専用の高速道路との整合性が第一に考えられてきたが、これからは公共交通路線を中心とする大規模な交通輸送ネットワークとの整合性を第一に考えられなければならない。
地域は自然条件によって決定されるグリーンベルトや野生生物の生息境界などの形で他の地域との境界線を保持し、かつこの境界線を常に維持していかなければならない。
市庁舎やスタジアム、博物館などのような地域の中心的な施設は、都市の中心部に位置していなければならない。
その地域の歴史、文化、気候に対応し、その地域の独自性が表現され、またそれが強化されるような建設の方法および資材を採用するべきである。

4. 実現のための戦略(Implementation Strategy)
全体計画は、前述の諸原則に従い状況の変化に対応して常に柔軟に改訂されるものであるべきである。
特定の開発業者が主導権を握ったり、地域のそれぞれの部分部分が地域との整合性もないままに乱開発されたりすることを防ぐために、地元の地方公共団体は,開発の全体計画が策定される際の適正な計画策定プロセスの保持に責任を負うべきである。
全体計画では、新規の開発、人工の流入、土地再開発などが許容される場所が明確に示されなければならない。
開発事業が実施される前に、上記諸原則に基づいた詳細な計画が策定されていなければならない。詳細な計画を策定することによって、事業が順調に進捗していくことが可能となる。
計画の策定プロセスには誰でも参加できるようにするとともに、計画策定への参加者に対しては、プロジェクトに対するさまざまな提案が視覚的に理解できるような資料が提供されるべきである。

[参考文献]
「サステイナブルコミュニティ」 著:川村健一+小門裕幸
[参考URL]
国土交通省ホームページ
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